2007年06月20日
「魔の山」谷川岳のピークへ!
「魔の山」「墓標の山」の異名を持ち、約800人という世界一の遭難死者数を記録している谷川岳。この山に対する思いいれは以前の記事でも書いたとおりだが、とにかく谷川岳はオイラが山を始めたときからの「恐怖とあこがれの対象」であり、「どうしても登ってみたい山」「どうしても登らなくてはいけない山」としてオイラの頭から離れることはなかった。
そんな「魔の山」に敬意を表して(?)、今回はロープウェイを使わずに、日本三大急登に数えられ、ハードな岩場で知られる西黒尾根からピークを目指すことにした。(ちなみに、日本三大急登は、谷川岳・西黒尾根、烏帽子岳・ブナ立尾根、甲斐駒ヶ岳・黒戸尾根だそうデス
)最大標高差は約1300m、コースタイムは7時間20分。岩尾根歩きやクサリ場もあり、なかなか歩きがいのありそうなハードコースだ。
ウチの親ぐらいの年代になると「谷川岳」という言葉に敏感になっているようで、「くれぐれも気をつけなさい」と真剣な表情で言われた。モンベルの店員さんにも「前日からしっかりと体調を整えて。。」と神妙な面持ちでアドバイスされたし。。単独で「魔の山」に挑む身としては、そんなことを言われるまでもなく否が応でも緊張感は高まってくるってモンですが。。
関越道水上ICを降りてすぐに谷川岳が顔を出した。
残雪を身にまとった急峻なその山容に思わずウットリと見とれてしまう。
そして、「これからあそこに登るのか。。」と考え、あらためて身が引き締まるような思いにとらわれる。
途中で谷川岳のすぐ手前にある遭難慰霊碑に立ち寄ってみた。
大きな碑には遭難者の名前が彫られている。すさまじい数。。
約800人という途方もない数の遭難死者を記録してきた谷川岳。
誰もいない早朝の慰霊碑周辺には何となく重い空気が漂っているような気がしたので、一礼だけしてすぐにその場を立ち去った。
やっぱり「魔の山」谷川岳。ほかの山とは何かが違う。。
その後ロープウェイ土合口駅の駐車場にクルマを止め、登山の支度を整えて7時40分に歩き出した。
ちなみに、6/18から5日間は点検のためロープウェイの運行が中止とのこと。オイラは最初からロープウェイを使う予定はなかったんだけど、運行中止なら観光客も来ないし、静かな山を思う存分満喫できそう!

登山指導センターで登山届を提出してコースの情報を仕入れてから、西黒尾根の登山口の前に立つ。いよいよ「魔の山」谷川岳に挑戦だ!
これが「日本三大急登」のひとつ、西黒尾根の登山口。
いきなり足場悪いな~。しかも初っぱなから急登っスか~!?

歩き始めて2時間半ほどは、こんな感じの岩ゴロ道が延々と続く。
まっすぐ歩ける道はまったくない。すべてが岩ゴロ&鬼のような急登。
しかも、サウナのような暑さで体力が容赦なく奪われていく。
アッと言う間に滝のような汗が流れ落ち、メガネが曇ります

やっとのことで樹林帯の悪路を抜けると、イッキに展望が開ける。双耳峰の谷川岳もすぐ目の前に! そして、ここからは高度感のあるハードなクサリ場のオンパレードだ!

クサリ場その1
クサリ場その2
クサリ場その3
クサリ場その4
クサリ場その5
クサリ場その6
クサリ場その7

↑クサリ場のイメージが湧きやすい写真が出てきたので追加しときます

右奥が山頂、左の岩場がクサリ場。こんなトコ登ってるんデスよ~

前に登った十二ヶ岳もハードなクサリ場で有名な山だったけど、やっぱり谷川岳はスケールが違う。岩場の傾斜も高度感も難易度も、すべてがケタ違いだ
「落ちたら死ぬな」的な場所も非常に多く、実際、尾根上には遭難者の名前が刻まれた慰霊碑がいくつか建てられてマシタ
クサリ場が一段落すると、今度はガレ場が1時間半ほど延々と続く。
急斜面の上、徐々に岩が大きくなって、最終的には岩尾根に。
ここがかなりシンドかった
クサリ場同様、「落ちたら即死」なテイストがプンプン漂う谷川岳らしい(?)コースだ。岩尾根の途中から歩いてきたルートを振り返る。
岩尾根歩きが終わったと思ったら、今度は雪田のトラバース。しかも崖に向かって大きく傾斜しているので、滑ったらやっぱりタダではすまなそう。。
軽アイゼン持ってきてよかった~

安全ロープを片手に慎重に渡ります。
そして、スタートから5時間弱で標高1963mのトマの耳に到着!
ここまでに会った登山者は1人だけ。しかも、その人はオイラがトマの耳に向かうのとすれ違いに下山してしまった。
(岩尾根を通過しているとき遥か下に男女の登山者がいたんだけど、結局その後登ってこなかった。クサリ場の手前で引き返したのかも。。!?)
てことは。。本日の谷川岳、オイラの貸切っスかぁ~

谷川岳は双耳峰の山。
トマの耳のさらに奥に谷川岳の最高点オキの耳がある。トマの耳からは片道10分程度の道のりだが、トマの耳だけで下山する人も多いらしい。(この日会った唯一の登山者も「トマの耳だけ」と言ってたし)
オイラは疲れた体にムチ打って、予定通りオキの耳に向かう。
で、オキの耳に到着。標高1977m。
谷川岳の標高はさほど高くはないが、群馬と新潟の県境に位置するため太平洋側と日本海側の両方の気圧の影響を受けやすく天気が荒れることが多い。それが世界一の遭難死者をだす原因のひとつになっているのだ。
雄大な眺望を堪能しながら、山頂貸切状態で昼飯タイム。奥の岩の向こうは切り立った崖。実はすごいトコロで弁当広げてマス
この日のランチはカミさんが早起きして作ってくれたカツサンド。暑さのせいで食欲がなかったものの、帰りの行程のことを考えて何とか胃に流し込んだ。山頂から西側の万太郎山、仙ノ倉山を望む。
ガスが多くスッキリ晴れることが稀な谷川岳で、梅雨時にも関わらず360℃の大パノラマを堪能できた。ハンパじゃない暑さのオマケ付きだが、頑張った分だけ達成感も感動も大きいってモンだ


食後は天神尾根~田尻尾根で下山。
まずは雪田をインチキグリセードで下っていく。
雪はいまだ30cmほど残っており、ズルズルとよく滑りマス

下り始めるまでは、「登りがキツかった分、下山は楽できるかな」などと思ってたんだけど、その甘い考えはすぐにブチ壊された。延々と続く岩ゴロの急斜面は時間もかかるし疲労も大きい。景色を見ながら楽しく山歩きができるような、なだらかな斜面はどこにもない

それにしても暑すぎる!
汗の量も尋常じゃないし、疲労もハンパじゃない。まるでサウナの中にいるような暑さの中を、夢遊病者のようにフラフラとただ歩く。
永遠に続くかのような樹林帯の急斜面を下り続けると、ついにロープウェイの下に出てきた。普段なら山に人工物があると「嫌だなぁ」って思うのに、この日ばかりは狂気乱舞! 「ここまで来ればあともう少し!」と自らを鼓舞しながらラストスパートをかける。
ココまで来る間、あまりの暑さで大量の汗をかいたせいで思った以上に水を消費してしまった。そのため、この2時間ほどは満足な水分補給もできず、「水、水。。」と心の中でつぶやきながら歩き続けてきた。
暑さのせいで顔や頭、日焼けした腕がずっと熱を持っていて「ヤバイなぁ~」と思っていたところ、沢の音が聞こえてきたので喜んで転がり込む。
頭や顔、腕を冷たい沢の水でジャブジャブと洗い、カラカラの喉に水を流し込む。上にロープウェイの駅や山小屋があるので「大腸菌ウヨウヨかぁ~!?」と思ったが、この暑さと喉の渇きではそんなことは言ってられない。
“水あたり”の薬も持参してるし、ノープロブレムっスよ!

そして、スタートから9時間後、ついに駐車場にたどり着いた。
記念すべき谷川岳の山行はこれにて終了!
コースもキツかったし、暑さも尋常じゃなかったし、持参した水が足りなかったしで、今回はホント~にキツかった。
今までの中でも今回の山行が一番キツかったかも。。
登山靴を脱いで、夢にまで見た炭酸飲料350mlを3本続けて一気飲み! その後も500mlのペットボトルを1本と350ml1本を空けて、帰宅までに飲み干した水分は約2リットル!
いかに体が水分を欲してたかがよくわかるでしょ!?
せっかく谷川岳に来たんだからと、登山後はかの有名な「一ノ倉」を見学してきた。「世界でももっとも登攀が困難な岩壁のひとつ」として数えられている一ノ倉は、ロッククライマーの聖地。
一体ここでどれくらいのクライマーが命を落としたことだろう。。
あまりのスケールに言葉を失くし、大岩壁の前でしばし立ちすくむ。
その後は水上温泉で立ち寄り湯に浸かってからノンビリ帰宅。
あこがれの山「谷川岳」への挑戦は、こうして終わった。
谷川岳はやっぱり“いい山”だった。
思いがけない暑さで随分苦戦したけど、今までで最高の苦労と感動を与えてくれた。水を求め、ヘロヘロになって歩き続けたのも、終わってしまえばすべていい思い出だ。
今度は涼しい時期にぜひまた登ってみたいと思う。
“近くてよい山”谷川岳。
やっぱりココはオイラにとって特別な存在なのだ

【単独登山DATA】
●上越・谷川岳 1977m●


最大標高差 約1300m
歩行距離 約12km
コース 土合口駅駐車場~西黒尾根~トマの耳~オキの耳~天神尾根~田尻尾根~土合口駅駐車場
山行時間 9時間
歩行時間 6時間30分(登り4時間、下り2時間30分)
標準コースタイム 7時間10分この記事へのトラックバックURL
生還おめでとうございます
私も、明日は、晴れでおまけに暑そうなので、喉も身体もカレカレ状態に行ってみようかなぁ~
レッツ・ら・ゴー。。。タタタッ。ヘ(;・・)ノ
って、近所の山だろうけど・・・(笑)
私は、山から降りると、カロリーの高いジュースが飲みたくてたまらなくなります。
それで、いつも車にクーラボックスを積み込み濡らしたタオル・と共にジュース類をどっさり積んでます。
それでも、鎖場も残雪の様子もきっちんとカメラに納められていて感心ですね♪
本当にお疲れ様でした。
1泊するのかと思ってましたよ。日帰りだったのですね。
なんだかだいぶ垂直に近い岩場ですなあ。
登りより下りが、アレっぽいですね。
>>水分は約2リットル!
わかります、わかります 笑
もう安心してガブガブいけますからね。
小生は微糖の缶コーヒーを目指して下ってきます。
下山後の楽しみがないとねえ^^
無事帰ってきました~。
晴れてるのはサイコーなんですが、暑すぎるのはちょっと。。
汗拭きタオル2枚を交互に乾かしながら使いましたよ^^
山行後のジュース類は必須ですね~。
クルマに1Lの水筒は必ず積んでいくんですが、今度からゆうとままサンちみたいにクーラーボックス積んでいこうかなぁ^^
日帰りでした^^
移動も長いし、ハードスケジュールでしたが念願の一ノ倉にも行けたし、温泉にも入れたし、充実した一日でした。
>垂直に近い岩場
そうなんです。
結構ハードな岩場の連続で。。
難しくはないんですが、滑ったら即アレですから(笑)
今は下山後にコーラを一気飲みするのが最大の楽しみです。
それにしても、これからの季節は持参する水の量をよく考えないといけませんね~。
ボクの場合、とくに汗かきなんで、暑い日は水がアッと言う間になくなります。。(^^)
昨日仕事中に携帯でブログをみると、無事帰還の文字が!
とりあえずは良かったと思いお疲れメールを打った後、1時半頃に再度携帯でブログを確認するとすでに谷川岳登山がUPされていた。
きっと印象の深い内に疲れた体にムチ打って書き上げたのだと思い、仕事中にもかかわらず記事を読み出し引き込まれてしまった。
私は登山はしたことが無いので「クサリ場」の意味が分からず、帰って来て画像を見て「なるほど!」。
自分ではもちろん創造できる世界では無いが、キャンプだの、ブログだのと言う世界を遥かに超えているように感じる。
自然を相手にするのは、知力、体力、経験がいる。今のチャレンジする意思と行動力があれば、一冊できるかもしれませんね・・・今後も期待しています!
いろいろ感想ありがとうございます!
hiroさんは最初からわざわざ感想メールをくれたりして、キチンと読んでくれてますよね。
ブログは仕事で書く文章と違ってだいぶ肩の力を抜いて書いていますが、hiroさんの感想はとっても励みになります。
ボクの場合、今年の1月までは山のドシロウトだったので、今は何とか経験や体力を向上させようと頑張っている最中デス。
そのうち本出しますか、「成り上がり登山」というタイトルで(笑)
いくつになっても挑戦することは楽しいです。
2年前にはボッコボコに殴り合い蹴り合う実戦空手道場に通いだして、全日本大会の出場を目指してたし。(残念ながら今は山でいっぱいいっぱいで空手は小休止状態なんですが。。)
山はまだまだこれからステップアップしますよ~!
乱丸の「成り上がり登山」のこれからを、どうぞ見届けてくださいね!(^v^)
西黒尾根の山行記録,ネットじゃあまり見ないですね。なるほどこういうコースなんだと,写真を見て妙に納得してしまいました。
西黒尾根、こんな感じです(笑)。
結構ハードなコースでしたね~。
面白いですけど^^
「天候が悪いと事故が多発しそうだな~」って思いました。
谷川岳レポ堪能させていただきました。ここがうわさに聞く谷川岳ですか!すごいですね垂直なクサリ場、初心者の自分にはちょっと無理って感じですね。
でも、いつかは行ってみたいですね。ロープウェイコースなら行けるかな^_^;
谷川岳はやっぱりハードです。
でもロープウェイを使って天神尾根から登れば全然大丈夫ですよ^^
とはいえ、それでも往復4~5時間はかかりますが。。
でも、ホントに素晴らしい山なので、機会があったらぜひ行ってみてくださいね(^^)v
乱丸さんのレポで凄くよくわかりました。次回の谷川岳は西黒尾根でチャレンジしてみますね(^_^)v
それにしても暑かったんですね~
下りてきての水分の量、そんなに一気に胃に入るものか?と別の意味で心配してしまいました。
お腹壊さなかった?(笑)
西黒尾根、ぜひチャレンジしてみてください~。
ひろサン好みのハードなクサリ場がてんこ盛りですよ^^
基本汗かきなんですよね~。で、水分も多く摂る。
学生時代ラグビー部だったんですが、ヤカンの水をゴッゴッと飲み続けている最中に仲間に止められましたからね。
「オレたちの分がなくなる」、と(笑)
ちなみに明日は武尊山に登る予定です。
またいっぱい水飲んできますよ~(^^)
エドヤマさんのブログからおじゃましにきました。
読み応えのある谷川岳レポートに釘づけになりました。
私は逆コースで昨年秋に訪れました。
しかもロープウエイで。
しかも悪天候で頂上はパスしました^^;
だから乱丸さんのコースがどれだけ大変だっかよくわかります。
ホント鎖場すごいですよね・気分はロッククライマーです。
残雪も多いですね~~アイゼン持参するところがさすがです!
一の倉沢は絶景なんですけどいつ見ても背筋が寒くなります。
またおじゃまさせてください。
コメントありがとうございます^^
ブログとHPは何度も拝見させていただいてるんですが、コメント不精なものでいつも素通りでスミマセン(--)
それにしても、雪山までこなすそのバイタリティーには脱帽デス^^
谷川岳、よい山ですね。
mo-chanママさんは西黒尾根下ったんですか~。
早速HPで記事を拝見しました。
あのクサリ場はむしろ登りより下りのほうがヤバそうですね。
ホント、ロッククライマー気分満喫!ですよね^^
一ノ倉。。ヤバ過ぎです! とても日本とは思えません。
あそこはやっぱり、志半ばで逝ったクライマーたちの思いがつまった特別な場所ですね。
魅かれます。
谷川岳、何度でも登ってみたい特別な山です^^
mo-chanママさんのブログ、お気に入りに登録させていただきます!
未熟者ですがこれからもよろしくお願いしますね(^v^)
お気に入りへの登録どうもありがとうございます!
こちらも早速リンクさせていただきました。
私も未熟者ですがこれからもどうぞよろしくお願いします。
谷川岳はピーク踏んでいないのでこの秋また登る予定です♪
リンクありがとうございました。
これからもよろしくお願いしま~す(^v^)
昨日は武尊山に登ってきました。
天気予報に裏切られ、孤独なドシャ降り山行でした(--)
これから仕事なので、レポートは夜にアップする予定デス。
よかったらまた読んでくださいね(^v^)v
そうそう、谷川岳! 宿題ですね(^^)v
この秋にまた登る予定ですか~。
ちょうどいい季節ですね^^
昨日武尊山に行く途中、水上IC降りてすぐ谷川岳がでっかく見えました。
ひときわ存在感があって、思わずハンドルをそっちに向けそうになりましたよ^^
アウトドア&フィッシング ナチュラムが提供する、自然と戯れ、自然を愛する人々のBlogサイト






















